FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
line

オグリキャップに捧ぐ①

子供のころから動物が好きでした。
ノアの方舟のように、将来いろんな種類の動物たちと一緒に暮らしたいと思っていました。よくリスや羊、馬やバンビの絵を書いて、そこに自分がいると思うことで、安らぎを感じていました。シートン動物記は、ときどきかわいそうで読めませんでした。
ちょっと自意識過剰ぎみなところがあって、人間関係は得意とはいえませんでした。
音楽が好きでした。学生時代はロックやポップスなど、バンド活動にすべての時間とバイト料をつぎ込みました。ずいぶんコンテストにも出ましたが、仕事には結びつかず、かなり回り道をしてからコピーライターになり、広告の会社を作りました。でも、大きな企業へのプレゼンテーションは、予めあて馬とわかって参加しなければならないことが多かったりで、仕事では不完全燃焼。そしてそのときは永遠を願う恋も、2年も続けばいい方で・・・何かが足りないといつも感じていました。
白馬に乗った王子様が現れて、自分の人生を変えてくれたりする可能性が薄いことに気がつきはじめたころ、私はやっと周囲に対してではなく、自分の中に何かを求めるようになっていました。そのころはひたする毎日プールに通って泳いでいたのを覚えています。(今も泳ぐのは日課ですが)何千メートル、いえ、何十キロ泳いだでしょうか。


オグリキャップが私の中に飛び込んできたのは、そんなときでした。
1989年のジャパンカップ、私はパドックで彼の姿を見ました。そのときの衝撃、今思えばそれが私の原点です。それこそが新しい自分の道、仕事を作る力の源でした。
まず作ったのは、歌でした。オグリキャップがもう燃えつきたのではないかと言われていた時期でした。音楽に対して諦められない気持ちと自分に力をくれたオグリキャップのために、歌をなんとか世に出して残したいと思いました。もうオグリの引退の時期が決まっていたので引退式でその歌を流して欲しいと必死でした。
有馬記念のラストランでオグリキャップが勝ったときは、中山競馬場にいました。私の背が低いこと、1階のスタンドがギュウギュウに混んでいたこと、そして怖かったのとで、レースを見られませんでした。でも、レースが終わって、オグリが勝って震えながら泣いていたのは私だけではなかったのです。隣の人も前も後ろもみな泣いていました。私にとって、痛いほど幸せな記憶です。
今、私はサラブレッドに会いに行くことを仕事にしています。彼らの生きる場所を書いて、彼らが生きていることを伝えたいのです。
もし私がオグリキャップに会っていなかったら、競馬を知りませんでした。そしてサラブレッドがこの地上で温かく、美しく輝いていることも知ることはなかったと思うのです。



日曜日 競馬場は
夢に酔う 地上の船になる
ビッグレース 近づけば
興奮の 波に揺れる
立ち上がる 観客たち
おまえの名前 とどろく
命燃やし 駆ける姿に
誰もが 胸熱くする
お前が 走るため
生まれてきたのなら
わたしは 何のため
生きてゆくのか
帰らないあの夏を
駆け抜けた オグリキャップ
まばたきする 瞬間に
吹いてくる 風をつかまえよう
奇跡が消えないうちに
その愛を追いかけよう
歓声の嵐やんで
黄昏染まるスタンド
会いに行く約束だけを
抱きしめ 永久に忘れない
おまえが 走るため
スポンサーサイト
line
line

comment

管理者にだけ表示を許可する

line
line

FC2Ad

line
プロフィール

haruurara☆

Author:haruurara☆
エッセイスト  安西美穂子

東京都出身
成蹊大学文学部英文科卒

代表的な著作
 「サイレンススズカ物語
         ―地上で見た夢」
 「ヒシアマゾン 癒しのささやき」
 「愛しのサラブレッド」
 「馬のためにできること」
 「厩舎(おうち)へ帰ろう」
           シリーズ
など

line
最新記事
line
カテゴリ
line
sub_line
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。